LPガスの特徴
LPガスとは
LPガス(LPG)とは「Liquefied Petroleum Gas(液化石油ガス)」の略称で、プロパン(C3H8)やブタン(C4 H10)を主成分とするガス体エネルギーです。特に主成分がプロパンの場合は「プロパンガス」とも呼ばれ、全国の約2,500万世帯のご家庭で使われています。
No1エネルギーは「LPガス」
LPガスは、備蓄があり、いつでも、どこでも、何にでも使え、しかも扱いやすいエネルギーです。
- 備蓄
- 約4ヶ⽉(国家備蓄50⽇・⺠間40⽇・流通在庫と軒先で約30⽇)
- いつでも
- 時間や天候を問わずイツでも使えます
- どこでも
- 地上1階から100階であっても、⼭の上でも、船の上でも使えます
- 何にでも
- 灯り、⾷事、お湯、乾燥、冷暖房から電気までつくれます
- 扱いやすい
- ⼩型容器から⼤型容器で運搬出来る
- 災害時
- 線や管がなくても使えます。災害時に⼀番活躍するエネルギーです。また、復旧の速さは⼀番。
災害時に強いエネルギー
⼤分市の学校には災害⽤バルクタンク(災害時、バルクタンクより直接LPガスを取り出し、料理・給湯・発電・照明等が出来る)や、
停電時でも動くガスエンジン式エアコン(GHP)が設置されています。
平成7年の阪神・淡路大震災は戦後最大の被害をもたらしました。その際にLPガスは、供給の途絶が少なく、いち早く復旧を果たしました。復旧対策の拠点となる施設や避難施設では、単独で発電・調理・給湯・暖房等が可能な分散自立型エネルギーであるLPガスの導入が求められます。一般住宅でも安心できます。
電気より省エネ
電気は、消費するところではまったくクリーンですが、電力製造段階での環境問題と発電~送電等のロスが約62%もあります。LPガスは100%利用できるため、電気よりも省エネということができます。
簡単に液化できる
(LPガス読本より)
LPガスは通常は気体ですが、圧力をかけたり冷却することによって比較的容易に液化させることができます。例えば、プロパンは1MPa程度の圧力をかけることにより液化します。LPガスを液化させると、体積が気体時の約250分の1に縮小するので、大量のLPガスを効率よく供給することができます。
容器・貯槽内のLPガスは圧力をかけて液化されており、通常は自然気化によって使用しますが、寒冷地等では強制気化装置(ベーパライザー)が必要となる場合もあります。
空気より重い
(LPガス読本より)
ガス比重(空気を1とした場合の重量比)がプロパンで約1.5、ブタンで約2.0と空気より重いため、空気中に放出された場合は底部に滞留します。このため、警報器は下部に設置する、また漏洩時は底部の換気を行うなどの必要があります。
着臭している
(LPガス読本より)
純粋なLPガスは無色無臭ですが、保安上の観点から漏洩時に感知できるように、微量の硫黄系化合物で着臭しています。高圧ガス保安法では、空気中の混入比率が1/1000の場合においても感知できるように着臭することが定められています。
なお、ガス着火および消火時に着臭剤の臭いが強く出ることがありますが、これは容器内の残ガス量減少により、容器下部に溜まった着臭剤の濃度が高くなるために発生するもので、安全上は特に問題ありません。
都市ガスとの違い
LPガスは都市ガスと同じガス体エネルギーですが、その性質にはいくつかの違いがあります。LPガス(家庭用)の主成分はプロパン(C3H8)、都市ガス(13A)の主成分はメタン(CH4)で、プロパンの単位体積当たりの熱量は都市ガスの2倍以上です。熱量が大きく異なるため、コンロや給湯器等のガス機器はそれぞれ専用の機器を使用する必要があります。
またプロパンは前述のように容易に液化させ、容器に充填してどこにでも運ぶことができるため、全国どの地域でもお使いいただくことができます(分散型供給)。一方、都市ガスは常温状態で液化させることができないため、主として導管によって気体の状態で供給しています(系統供給)。これにより、都市ガスの供給エリアは導管が設置可能な都市部等に限定されますが(全国土の約5%)、LPガスは全国どこにでも供給することができます。
■LPガスと都市ガスの違い
LPガス | 都市ガス (13A) | |
---|---|---|
主成分 | プロパン (C3H8) | メタン (CH4) |
発熱量 | 102 MJ/m3 | 45 MJ/m3 |
比重 | 1.5 | 0.6 |
沸点 | -42℃ | -162℃ |
供給形態 | 分散型供給 | 系統供給 |
(LPガス読本より)
■LPガス・都市ガスの供給形態
(LPガス読本より)
■LPガス・都市ガスの供給区域
(LPガス読本より)
LPガスを安全にお使いいただくために
いつも青い炎で使いましょう
- ガスの炎は「青い炎」(完全燃焼)でお使いください。
「赤い炎」の時はお掃除しましょう。不完全燃焼により一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
換気に注意しましょう
- 部屋の中でガス器具を使用するときは、換気扇を使用、ときどき窓を開け十分に換気してください。
- 換気が不十分だと、不完全燃焼を起こす場合があります。
点火は必ず目で確かめましょう
- ガス器具のそばに燃えやすいものを置かないでください。
- 天ぷらを揚げているときに鍋の油に火がついたり、風や煮こぼれで火が消えたりすることがあります。
調理中はその場を離れないようにしてください。 - マッチで点火する場合は、マッチをつけてから器具栓を開けてください。
使用後はガス栓を完全に閉めましょう
- おやすみ前やお出かけ前は、ガス栓や器具栓が閉まっていることを確かめてください。
- 使っていないガス栓にはゴムキャップを付けてください。
- 長い間ご不在になるときは容器バルブを閉め、販売店に連絡してください。
- アースがわりにガス配管やガス栓を使用しないでください。
- ガス栓は全開で使用してください。
ガス器具のお掃除について
- ガスコンロの目づまりなどの汚れは不完全燃焼の原因になる場合がありますので、時々掃除してください。
- ガス器具の掃除でネジなどの部品を外す必要がある場合は、買ったお店にご連絡ください。
ゴム管はときどき点検しましょう
- LPガス専用オレンジ色のゴム管を使用してください。
- ゴム管はガス栓の赤い線の所まで十分に差し込み、ホースバンドでしっかり止めてください。
- ゴム管を折り曲げたり、物かげに通したり、長くしたりしないでください。
- ゴム管からのガス漏れの点検は、石けん水を塗ってアワが出るかどうかで調べてください。
点検したあとはきれいに拭き取ってください。 - ゴム管は早めに取り替えてください。
消費設備の管理と点検義務はお客様にあります
- 消費設備とは、ガスメータの出口からガス器具までです。メータのない場合は容器からガス器具までです。
お客様自身が責任をしっかりと持ち、安全にご使用ください。
※容器からガスメータまでを供給設備といいます。
調査点検については、販売店または保安機関が行います
- 容器交換の時→容器・調整器・バルブ・供給管などの外観点検。
- 1年に1回以上→(地下室などの)配管のガスもれ検査など。
- 4年に1回以上→調整器の機能検査、配管のガスもれ検査、ガス器具や給排気設備などの調査。
その他LPガス設備全般についての調査点検。
ガス器具はLPガス用の器具を使いましょう。
- ガス器具は取扱説明書をよく読み、正しく使用してください。
- ガス器具の保証書は紛失しないよう大事に保管してください。
- LPガス用の器具は全国どこでも共通です。
- 都市ガス用の器具は使用できません。
- LPガス用の器具には次の表示がありますのでお確かめください。
ふろ釜や大型湯沸器の設置場所には給気口、排気筒を設置しましょう
- 換気が不十分だと酸素が不足して不完全燃焼をおこし一酸化炭素が発生します。
中毒症状を起こす原因となりますので注意してください。 - 排気筒の中にゴミなどがつまっていたり、異常がないか点検してください。
ボンベ(LPガス容器)のご使⽤について
- 平らな場所で、火気や直射日光を避けて使用してください。
- 容器を横にしないでください。また、使用後は必ず容器バルブを閉めてください。
- 収納する時は、火気のない風通しのよい室外に収納してください。
- 不用になった容器は必ず販売店に返却してください。
カセットコンロのご使用について
- 必ずご使用のカセットコンロ専用のカセットボンベを使用してください。
- カセットボンベの切込み凹部をカセットコンロのボンベ受けガイド凸部に合わせてセットしてください。
- コンロをおおうような大きな調理器具は使用しないでください。
- 理以外の用途(木炭や練炭の火おこしなど)に使用しないでください。
- 古いカセットコンロ(10年が目安)を使用している場合、ガス漏れなどの事故が発生する危険性があります。
- 製造年月日を確認して安全性、機能性のアップしている新しいカセットコンロへの買い換えを検討してください。
- カセットボンベにサビが発生している場合はその部分からのガス漏れの無い事を確認してできるだけ早めにお使いください。
災害時の対策
災害が起こっても、あわてずに落ち着いて適切な処置や行動がとれるよう普段から心がけておきましょう。
① 火を消す
② ガス栓を閉める
③ 揺れが落ちついた後、
LPガス容器の
バルブを閉める
LPガス容器のバルブの閉め方
災害のときにLPガス容器のバルブを閉めることは、二次災害の防止にも役立ちます。バルブを閉めるときは、時計と同じ右に回すと閉まります。ご家族でバルブの位置を確かめましょう。
地震の時
LPガスメータ(S型/E型メータ)は、震度5以上でLPガス遮断し、24時間集中監視を⾏うことで、遮断情報が監視センターに⼊ってきます。(インターネット回線・電話回線に不具合が起こった場合は監視センターに情報は⾏きません)
ガス栓、器具栓を閉め(火を全て消す)、二次災害を防ぐため、揺れが大きいときは、揺れがおさまった後で戸外のLPガス容器のバルブも閉めてください。
台風・洪水の恐れがある時
⽔害を防⽌する為、LPガス容器をベルト⼜はチェーンで上段と下段の⼆重掛けを⾏っております。
LPガス容器のバルブを閉め、容器が倒れたり、流される心配はないか、しっかり固定されているかを確かめてください。
火災の時
LPガス容器のバルブを閉め、消防署員などにLPガス容器の位置を知らせ、後の処理を依頼してください。